フェルマー素数 (Fermat Number)

< n 番目の素数は n であらわすことができるか?>

この問題には昔から多くの数学者たちが挑んできて、未だに答えは得られていませんがその仮定で偉大な数学者たちは多くの業績を残しているようです。

<フェルマー素数>

<フェルマー素数>

 フェルマー(Pierre de Fermat 1601-1665)は n = 0,1,2,… に関して

 

 は素数であると予想しました。

n = 0 から試してみましょう。

F0 = 3、 F1 = 5、 F2 = 17、 F3 = 257、 F4 = 65537

素数表からも分かるように、どうもF4までは素数が並んでいるようです。F5以降はフェルマー自身も確認できずに、約100年後の1732年にオイラー(Leonhard Euler 1707-1783)が

F5 = 4294967297 = 641 × 6700417

と素因数分解してみせたのです。

ここでオイラーはこの10桁もの自然数をいかにして素因数分解したのでしょう。2や3から順番に割っていったのでしょうか?それとも10桁の素数表を持っていたのでしょうか?

そうです。素数表を持っていたのです。(←なんでやねん!)

オイラーはある公式を知っていたのです。その公式とは

 Fnが素数pを約数に持つなら

 p ≡ 1 (mod 2n+1)

   証明はこちら

つまりF5が素数pを約数に持つなら、そのpは

 p ≡ 1 (mod 25+1)

よって

 p= 64k + 1 (k = 1、2、3…)

とあらわすことができ、この中から k = 10 つまり p = 641 を探すのは容易ですね。ちなみに k = 104694 で p = 6700417 ですね。

フェルマーの失敗を証明したオイラーは、彼自身もn番目の素数をnであらわす、またはそれに近い式はないかと頭を悩ませたようです。

オイラーの挑戦
  n = 0、、、 、2…に関して

  En = n2 + n + 41

  であらわされる数Enは素数が多い。

まさかオイラー自身、すべてのnに関してEnが素数とは思ってはいなかったはずです。そんなことオイラにだって分かります。(すんません)

E40 = 402 + 40 + 41

= 40(40 + 1) + 41

= 412

この式のすごいところは、0から39のnに関してEnは素数であるというから見事なモンです。

<フェルマー素数の特徴>

オイラーが、

F5 = 4294967297 = 641 × 6700417

を示してもなお、フェルマー素数なる名前が付いてまで、Fnが話題にのぼるのはなぜでしょう?

Fnが次のような特徴を持っているのは、ドイツのガウス(Johann Carl Friedrich Gauss:1777-1855)によって示され大変有名なものですね。

フェルマー素数の特徴
コンパスと、定規のみを用いて円周の n 等分を作図することができる必要十分条件は、

n = 2kFaFb…Fc

ここで、Fa、Fb、…、Fcは異なるフェルマー素数です。

つまり、上のような n に関して、コンパスと定規のみで、正 n 角形が作図できるということです。フェルマーは、この事実を知っていたんでしょうか?

<F6以降について>

F0 = 3、 F1 = 5、 F2 = 17、 F3 = 257、 F4 = 65537

が素数であることは、フェルマー自身も知っていました。

F5 = 4294967297 = 641 × 6700417

が合成数であることは、オイラーにより示されました。

では、F6 以降は素数なのでしょうか?それとも合成数なのでしょうか?

実は、n = 1000 くらいまでは、Fn が合成数であるといわれています。ということは、フェルマーの意に反して、n が0、1、2、3、4が素数であるのは”例外”なのかもしれないですね。

 フェルマー素数 (Fermat Number)